DOCTOR’S BLOG - 心斎橋いぬい皮フ科 乾 重樹院長 オフィシャルブログ -

吉川邦彦先生の論文 日本における乾癬研究の歴史〜免疫・炎症異常説以前〜

2025年06月04日

[ カテゴリー :医学関係]

 今日届いた雑誌「皮膚の科学」第24巻・第1号には恩師である吉川邦彦先生の総説論文

「日本における乾癬研究の歴史〜免疫・炎症異常説以前〜」(p80-83)が掲載されています。生物学的製剤の実用化もあり、昨今の乾癬研究は免疫異常説が主流となっています。しかし、それ以前のケラチノサイトの増殖・分化・代謝異常を中心に研究されていた頃の研究史を年代順にたどっておられます。

 わたしは免疫とケラチノサイトの増殖・分化・代謝異常の相互作用で乾癬病態はできていると今でも思っておりますが、吉川先生の指導のもと、ケラチノサイトの増殖機構の研究をしていた頃を思い出しながら拝読した次第です。

  吉川先生が乾癬研究を志した若い頃、来日したロンドン大学皮膚科教授のCalnan先生から「最悪のテーマを選んだね(ジョーク混じり)」と言われたそうです。わたしが大学院に入ったとき「乾癬はすぐデータが出るから論文も出やすいし、学位もすぐ取れるで」と誘われました。今思うと<指導教官がそんなん言うか〜>の言ですが、先生のお優しさの表れだったのでしょう。Calnan先生から言われた言葉もあってそうおっしゃったのですかね。

ロンドン大学皮膚科Calnan教授

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