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雑誌「アレルギー」の総説論文より:デュピクセントによる結膜炎
今月号の雑誌「アレルギー」で高知大学眼科教授福田憲先生がデュピクセントによる結膜炎について解説されています。アトピー性皮膚炎の重要な病因因子であるIL-4, IL-13が結合する受容体をブロックするデュピクセントはアトピー性皮膚炎に非常に有効な薬剤です。しかしまれに結膜炎を生じることが知られています。この副作用は喘息や副鼻腔炎でデュピクセントを使用した場合には生じないようですが、アトピー性皮膚炎の患者さん特有に生じるようです。結膜炎だけでなく、眼瞼炎、ドライアイ、角膜炎も生じますが、眼科的治療で軽快する場合が多く、デュピクセントの中止に至ることは少ないとのことです。最近承認されたIL-13抗体薬でも結膜炎は生じると報告されています。
生体内でのサイトカインの働きはなかなか一筋縄でいかないところがあります。今後も注意深く診療しなくてはいけないと思いました。
文献 福田憲:デュピクセントによる結膜炎、アレルギー 73:359-360, 3034